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ついに完成!白ヌバックで挑んだ「はじめての革カバン作り」完結編——失敗のリストこそが最高の設計図!

【仕立てる(Making)】

ついに……ついに完成しました!!

裁断から始まり、途方のない菱目打ち、激闘のファスナー位置合わせ、そして今回の持ち手制作と取り付けまで。白ヌバックで挑んだ「人生初の大物レザークラフト」が、すべての工程を走り抜けてついに形になりました!

ペラペラだった1枚の革が、立体的な「プロダクト」へと生まれ変わるまでの長い道のり。今回はその最終章として、持ち手の仕立てから感動の完成、そして全工程を通して得られた学びをリアルにお届けします。

📖【白ヌバックのカバン制作】これまでの奮闘記はこちら

▶ 第1回(裁断・準備):ワールドカップにやられています。カバン制作、進捗報告。
▶ 第2回(菱目打ち):カバンの菱目打ち完了と、10年モノの帽子を革で直した話。
▶ 第3回(ファスナー取り付け・本体):ファスナーの位置合わせが全く合わなかった。白ヌバックのカバン制作、本体完成まで。


最後のパーツ「持ち手(ハンドル)」に魂を込める

前回の記事で「本体はほぼ完成、残すは持ち手のみ!」とお伝えしていた続きの作業です。

カバンの持ち手は、人間で言えば手足のようなもの。持ち上げるたびに荷重が集中し、常に引張応力がかかる超重要パーツです。そのため、今回の持ち手は裁断の段階から、革の中でも特に繊維がミッチリと詰まって伸びにくい「ショルダー部分」を厳選して切り出しておきました。

持ち手の構造は、革を2枚貼り合わせて厚みと強度を出した仕立て。本体の複雑なアーチ(曲線)と違ってスパーンと真っ直ぐな直線なので、4本目打ちを使ってリズミカルに穴を開けていくことができます。本体の苦労がウソのようにテンポよく進むので、めちゃくちゃ気持ちいい工程です(笑)。

縫い上がった持ち手を眺めてみると、端(コバ)の処理や縫い終わりの留め具合が、そのまま「仕上がりの品格」に直結することを実感します。


手縫いの美しさは「裏側(床革)」に宿る

持ち手が縫い上がったら、恒例の「縫い目チェック」に入ります。レザークラフトにおいて、表側(銀面)が綺麗なのは当たり前。真の完成度は「裏側(床革)」の縫い目がどれだけ揃っているかで決まります。

表側(銀面)は菱目の角度に沿って綺麗な斜めのラインが並んでいますが、裏側(床革)もガタつくことなく、ほぼ等間隔で直線を描いてくれました!ただ一部縫い方を変えてどうなるかの試行錯誤をここでもやってみました。少しチグハグな箇所も練習用ならではの御愛嬌。。

プロの視点で細かく突き詰めれば「もう少し糸の引き締め加減(テンション)を揃えられたかな?」という反省点はチラホラありますが、初めて作ったカバンの持ち手としては十分すぎる出来栄え!「うん、悪くないぞ」と一人でニヤニヤしてしまいました。


運命の合体!本体のスリットに持ち手を通す

さあ、いよいよ最後の組み立て作業です。出来上がった持ち手の両端を、本体にあらかじめ設けておいたスリット(切れ込み)に差し込み、裏からガッチリと縫い留めていきます。

この瞬間が本当にたまらないんです……!
スリットに持ち手が通った瞬間、それまでどこか「パーツの組み合わせ」に見えていたものが、一気に命を吹き込まれたように「ひとつのカバン」として覚醒する感覚

ここで持ち手の取り付け位置や角度が左右で1ミリでもズレると、カバンを下げた時に全体が歪んで見えてしまいます。全体のバランスを何度も遠目から確認しながら、慎重に針を進めていきました。


ついに完成!上品でクラシカルな白ヌバックのカバン

持ち手の縫い留めを終え、最後の糸切りを行って……ついに、白ヌバックのカバンが完成しました!!

どうでしょうか、この佇まい!
しっとりとした優しい質感の白ヌバックに、ダークブラウンのファスナーラインがピシッと効いていて、そこに輝くゴールドの金具。持ち手がついたことで全体のシルエットがギュッと引き締まり、想像していた以上にクラシカルで上品なカバンに仕上がりました。

斜めから見ると、奥行き(マチ)の立体感がよく分かります。底面がしっかり計算されているので、テーブルの上にコトンと置いた時にキレイに「自立」してくれるのが最高に気持ちいい。まさにURUKUST(土平恭栄さん)デザインならではの、無駄を削ぎ落とした機能美が光っています。


全工程を振り返って:失敗のリストこそが、最高の設計図だ

今まで作ってきたメガネケースやブックカバーといった小物類に比べて、今回のカバン作りは工程の数も必要な集中力も、まさに「段違い」でした。

なかでも一番の学びであり、一番のトラウマ(笑)になったのは、第3回で直面した「曲線のファスナー接着でマークが1ミリも合わない事件」です。
「直線であるファスナーテープを、革のカーブに沿わせて貼るとどうなるか?」——頭では寸法差が出ることを理解していたつもりでも、実際に手を動かして物理的なズレを目の当たりにしたことで、構造としての理解が100倍深まりました。

型紙の数値をそのまま信じるだけでなく、「センターを基準にして、クリップで辻褄を合わせながら張り込んでいく」という現場での応用力が身についたのは、プロダクトを作る者として本当に大きな収穫です。

💡 デザイナーとしての振り返りノート

  • 縫い目ピッチのわずかなガタつき(目打ちの角度維持が課題)
  • ファスナー両面テープ接着時のカーブ追従性の改善
  • コバ(切り口)の引き締めと仕上げの精度向上

もちろん、よく見れば縫い目のラインが少し歪んでいたり、ファスナーに僅かな「よれ」があったりと、反省点を挙げればキリがありません。
でも、今回はあらかじめ構造やサイズ感を掴むための「練習作(トワル)」として位置付けて制作していました。失敗した箇所のリストこそが、次なる「本番素材(本命の高級革)」で制作する際の何より贅沢な設計図になります。

この白ヌバックでの経験をしっかりと糧にして、次はいよいよ本番の革を使った制作へと進みます!

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。本番制作の模様もまたブログで報告しますので、ぜひ楽しみにしていてくださいね。

それでは、また!


※ 使用した素材:白ヌバック(蔵前の革問屋「ミヤツグ」さんで購入)、ダークブラウン金属ファスナー(ゴールド金具仕様)
※ 参考にさせていただいた型紙・レシピ:土平恭栄さん著『ミニマルスタイルの革小物』(日本ヴォーグ社、2022年12月)より、カバンの型紙をアレンジ。
※ 今回制作した白ヌバック版は、構造確認および工程習得のための「練習作(トワル)」として制作しています。

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