レザークラフト4作品目にして、お手頃価格で手に入れた良い素材を使用してみました。先日ミヤツグさんで購入した、しっとりとした手触りと上品な起毛感が特徴のヌバックです。
前回の「硬すぎるヌメ革」での苦い経験を糧に、今回は道具のアップデートと、計測を行ってから材料選定し制作を進めました。長く使える美しい道具を生み出すためには、まず作り手が「道具と素材」を把握することが重要だと気づきました。
勘を卒業し、数値で素材を捉える
今回の制作で真っ先に導入したのが、革の厚みを正確に測るスケールです。

ミヤツグさんのヌバックを計測すると、厚みは1.6mm。設計図(型紙)が求めるスペックに対して、素材の厚みはマッチしています。感覚ではなく「数値」で裏付けが取れることで、制作の解像度が一段上がりました。
他にも制作にあたって以下を購入
道具の進化がもたらす「線の精度」
角のR(曲線)カットは、焦らず「何度も細かく刻むように」刃を動かす手法を取り入れました。

その結果、過去最高に滑らかな切り出しを実現。下準備の精度が、プロダクト全体の美しさを底上げしてくれます。

さらに、新たに手に入れた「ヘリ落とし」が素晴らしい働きを見せてくれました。

良い道具は、柔らかいヌバックでも刃が逃げず、一定の角度でスルスルと角が落ちていきます。この断面(コバ)のわずかな丸みが、手で触れたときの心地よさを生み出します。(ヘリおとしは切れ味がないと柔らかい革のヘリが落とせないとのことで少し良いものを選択、0.6mmです。併せて研磨剤”青棒”も購入しました)

初心者ゆえの盲点:新品ツールに潜む罠
順調に進んでいた制作ですが、プロの道具を扱う上での「洗礼」も受けました。
- 素材の選定: ヌバックの端のほうに近い部分を使用したため、よく見るとわずかな汚れが含まれてしまいました。
- 錆止め油の付着: 新品のツールに引かれている「錆止め用の油」を拭き取るのを失念し、作業中に大事なヌバックへ油染みをつけてしまうという痛恨のミス。
「新しい道具は、まず清めてから使う」。長く使える道具を作るための初歩的な作法として、非常に実りのある教訓となりました。(※お見せできる写真がないのが残念ですが、しっかりと心に刻みました)
構造の発見:鼻あてを支える立体構成
型紙の段階では用途がよくわからなかった、複雑な形状のパーツ。しかし、実際に縫い合わせて立体に立ち上げていくと、それがメガネの「鼻あて」に乗せて固定するための重要な構造体であることが分かります。

裁断の精度が上がった恩恵でパーツ同士がピタリと合い、縫い作業も非常にスムーズに進行しました。平面のデザインが立体的に変換されるプロセスは、何度経験しても面白いものです。
完成:長く付き合える道具として
今回新調したポンチを使い、留め具となるギボシを取り付けて全工程が終了です。

ミヤツグさんのヌバックが持つ柔らかな質感が、大切なメガネを優しく保護してくれます。「長く使える美しい道具との付き合い方」を考えるとき、その道具を自らの手で、失敗も含めて作り上げるプロセスはめっちゃ楽しかったです。



今回手に入れた道具たち、そして素材を正しく使えたことで、次の作品への意欲がまた増しました!またドンドン作っていきたいですね
・・・最後、縫い合わせ後のコバ処理を忘れてた!後日やりまーす



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