「長く付き合える、きちんとした革の鞄や財布が欲しい」「そんなアイテムを作りたい」。大切なアイテムを購入するとき、少しだけ「革」の基本を知っておくと、選択の質がぐっと深まります。
表の「銀面」、裏の「床面」


革には表と裏の顔があります。ツルッとした表面を「銀面(ぎんめん)」、もじゃもじゃとした繊維質が露出した裏面を「床面(とこめん)」と呼びます。私たちが普段目にする美しい革製品の多くは、この一番上の層である銀面を活かして作られています。 そして銀面には、動物が生きていた頃の「シワ(トラ)」や「血管の跡(血筋)」、時には虫刺されの跡などが残っていることがあります。これらは「ナチュラルマーク」と呼ばれ、決して欠陥ではなく、天然素材である何よりの証。同じものが二つとない個性を愛でることこそ、革を知ったうえで大切に付き合う第一歩になりますね。
動物ごとの豊かな個性



何の動物の革かによって、どのような道具に適しているのか大きく変わります。
- 牛革(カウレザー): 最もポピュラーで、部位によっても特徴が異なります(お尻は硬く引き締まり、お腹はしなやか等)。生後6ヶ月以内の仔牛(カーフ)はきめ細かくハイブランドの小物に、大人の牛(ステア)は厚みが増し家具やタフな鞄に活躍します。
- 馬革(コードバンなど): 牛に比べて毛穴が少なく滑らか。特に農耕馬のお尻のほんの一部からしか採れない「コードバン」は、表面ではなく内側の特殊な硬い繊維層を削り出して磨き上げたもの。その鋭い輝きはまさに革のダイヤモンドです。
- 豚革(ピッグスキン): 毛穴が3つ連なって並んだ模様が特徴で、通気性が抜群かつ摩擦に強い素材。実は高級な靴や鞄の内装を「縁の下の力持ち」として支えている優秀な革です。
- エキゾチックレザー: ワニ(クロコダイル)、ヘビ(パイソン)、トカゲ(リザード)など、希少性の高い動物から作られる革です。最大の特徴は、唯一無二の「鱗模様(うろこもよう)」。 一つとして同じ並びがないその文様は、まさに自然が生んだ芸術品です。非常に丈夫で、正しくお手入れをすれば親子三代で受け継ぐことができるほど長持ちするものもあり、圧倒的な存在感と気品を道具に与えてくれます。
これまでレザークラフトをする前から伝統のMulberryやmiumiu、品質の良い日本ブランドのaniaryやcocomeistar、万双など一生物にできる革製品も買ってきました。上質なカーフレザーのバッグや、コードバンの財布などのリンクを「一生モノの入り口」としてご紹介します。
革の性格を決める「鞣し(なめし)」の魔法
動物の「皮」は、そのままでは腐ってしまったり、カチカチに硬くなってしまいます。それを、私たちが道具として使える「革」へと魔法のように変える工程が「鞣し」です。
植物タンニン鞣し(じっくり育てる派に): 植物の樹液などから抽出した「渋(タンニン)」を使って、時間をかけて鞣す伝統的な方法です。最大の特徴は、使い込むほどに色艶が増し、自分だけの色に育っていく「エイジング(経年変化)」。少し傷がつきやすい面もありますが、それもまた味わいになります。木と同じ成分(ポリフェノールなど)で鞣されているため、木の道具を育てる感覚に近いかもしれません。
クロム鞣し(いつでも綺麗に使いたい派に): 化学薬品(クローム)成分を使って短時間で柔らかく仕上げる現代的な方法。薄くしなやかで水や熱に強く、鮮やかな発色が楽しめます。エイジングはしませんが、裏を返せば「買ったときの美しい状態を長く保てる」ということ。お手入れも比較的簡単なので、忙しい毎日を支えるビジネスバッグなどにぴったりです。
コンビ鞣し(クロムとタンニンのいいとこ取り)この両方の良さを掛け合わせた「コンビネーション鞣し」も数多くあり、タンニン寄り、クロム寄りとグラデーションのように種類が豊富です。正直素人の私には見分けがつかないです。
命を無駄にしない「副産物」という背景
「革のために動物を犠牲にしているのでは?」と誤解されがちですが、実は牛や豚、羊などの革の99%以上は、私たちが食肉として命をいただいた後に出る「皮」を余すことなく再利用したものです。つまり、本革は究極のサステナブル素材。 その背景を知ると、手元にある革製品がより愛おしく感じられるはずです。時間をかけて育て、美しく使い込んでいく。そんなあなただけの一生モノを見つけてみてください。
また次は革製品のお手入れに関しても調べてみようと思います。ではまた


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